(ブルームバーグ):米投資会社カーライル・グループのハーヴィー・シュワルツ最高経営責任者(CEO)は、最近の信用市場で見られるボラティリティーが自身の「懸念リスト」に入っていると述べた。ただ、現時点では状況が悪化している兆しは見られないと語った。
オルタナティブ資産4650億ドル(約70兆円)を運用する同社のポートフォリオ企業を見る限り「データから示唆されるのは企業の成長と、安定した雇用、やや根強いインフレだが、近い将来に崩壊を示唆するような兆候は見当たらない」と19日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで述べた。「とはいえ、今は景気サイクルの後期であり、(信用市場の変動は)懸念リストに入って当然だ」と続けた。

シュワルツ氏はF1のUSグランプリ会場で、オラクル・レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキーズ氏とともにインタビューに応じた。カーライルは先月、同F1チームとの複数年にわたるパートナーシップを結んだと発表している。
米自動車ローン会社トライカラー・ホールディングスと自動車部品サプライヤーのファースト・ブランズ・グループが破たんして以降、信用市場では不安定な状況が続いている。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは「ゴキブリは1匹だけではない」可能性を警告している。16日には米地銀2行が融資に関する詐欺の被害に遭ったと発表し、株価が下落した。
オルタナティブ資産運用業界は伝統的な機関投資家以外にリーチを拡大しようと、スポーツチームやアスリートとのパートナーシップを積極的に進めている。トランプ大統領による今夏の大統領令を受けてプライベートエクイティ(PE)会社は年金市場に進出しており、金融商品の購入が期待できる個人投資家への浸透を目指している。
オラクル・レッドブル・レーシングのジャケットを着たシュワルツ氏とメキーズ氏は、両者のパートナーシップをアピールした。メキース氏によれば、カーライルもF1も消費者へのリーチ拡大を目指している。
さらにメキース氏は、レッドブルのトップドライバー、マックス・フェルスタッペンとともに走る「セカンドシート」について、「約2レース後にも」判断を下せそうだと述べた。
Resilience(抜粋)
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