(ブルームバーグ):中国政府は、同国の標準時間の算出・管理を担う中国科学院国家授時センターに対して米政府がサイバー攻撃を実施した「確たる証拠」をつかんだと発表した。
中国の国家安全省は19日、メッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」の公式アカウントで声明を公表し、米国家安全保障局(NSA)が2022年3月25日以降、同センターに勤務する職員の携帯電話の脆弱(ぜいじゃく)性を悪用して端末から機密情報を入手していたと明らかにした。
さらにNSAは23年4月18日以降、盗まれたログイン情報を繰り返し利用して同センターのコンピューターに不正侵入していたという。
米国時間の営業時間外にNSAに対してコメントを求めたが、すぐに応じなかった。
中国科学院国家授時センターは中国北西部の西安市に位置し、政府や民間社会、産業界に高精度の時刻サービスを提供する重要な国家施設。国際標準時の算出にも必要なデータを供給している。
国家安全省によれば、捜査の結果、攻撃の発信源を隠すために世界各地の民間サーバーが利用されていたことが判明したという。声明によると、こうした攻撃への防御措置を講じるとともに、同センターで再発防止策を実施したとしている。
原題:China Says It Found Evidence of US Cyber Attack on State Agency(抜粋)
--取材協力:Josh Xiao.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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