(ブルームバーグ):米メディア大手パラマウント・スカイダンスのデービッド・エリソン最高経営責任者(CEO)は9日、業界再編の好機は多いとの見方を示した。同社は、競合するワーナー・ブラザース・ディスカバリーの買収を検討中だと報じられている。
エリソン氏はロサンゼルスで開催された「ブルームバーグ・スクリーンタイム」会議で、「近い将来に実際に行動に移せる選択肢は数多く存在する」とした上で、「われわれはより多くを生み出すという視点でアプローチしていく」と語った。
ブルームバーグ・ニュースは先に、パラマウントがワーナー・ブラザースへの買収提案を検討していると伝えていた。エリソン氏は特定の企業についてはコメントできないとしたものの、さらなる業界再編の必要性を訴えた。
エリソン氏は「皮肉なことに、昨年メディア業界の統合が重要だと言ったのは(ワーナー・ブラザースCEOの)デービッド・ザスラフ氏だった」と指摘。「われわれのアプローチは、何よりもまず才能ある人材にとって有益か、株主や価値創造にとってはどうか、そして広い意味でストーリーテリングにとって何が最善かという観点が出発点となる」と説明した。
さらに、他のメディア資産の買収を目指す企業について、「非常に大規模なプレーヤーであり、事実上の独占状態を生み出す可能性がある」とも述べた。

2日間にわたるスクリーンタイム会議では、メディア、テクノロジー、スポーツ界の有力者たちが、自身のビジネスに影響を与える主要課題について議論した。
米Netflixのグレッグ・ピーターズ共同CEOは、テレビで楽しめる新作ゲームを発表した一方、自社のゲーム事業に「Bマイナス」の評価を付けた。
ワーナーミュージック・グループ(WMG)のロバート・キンクルCEOは、所属アーティストを題材にした映画の製作計画について話す中で、自社を「音楽界のマーベル」と表現した。
エリソン氏は8月、自身の映画製作会社スカイダンス・メディアとの80億ドル(約1兆2200億円)規模の合併完了後、パラマウントの経営を引き継いだ。同社はCBSやニコロデオン、MTVといったケーブルテレビ・地上波テレビのほか、同名の映画スタジオなどを傘下に持つ。
同氏は、オンラインニュースサービスの「フリープレス」を含む複数の大型買収をすでに実現している。
原題:Paramount’s Ellison Sees ‘A Lot of Options’ for Media Deals (3)(抜粋)
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