米ワーナーミュージック・グループは、動画配信サービスの米Netflixと共同で、同レーベルのアーティストや楽曲を題材にした映画やドキュメンタリー作品を制作することで合意間近だという。事情に詳しい関係者らが明らかにした。

この提携は、ワーナーミュージックにとって戦略の転換となる。同社は今年に入り、コスト削減の一環として映画やテレビ番組の制作部門を閉鎖した。非公開情報だとして関係者らが匿名を条件に語ったところによると、同社は現在、映画やテレビ番組の制作を外部に委託することを検討している。

「ブルームバーグ・スクリーンタイム」会議でインタビューに応じるロバート・キンクル最高経営責任者(CEO)

ワーナーミュージックのロバート・キンクル最高経営責任者(CEO)は、8日にロサンゼルスで開催された「ブルームバーグ・スクリーンタイム」会議で講演。同社にはマドンナやフリートウッド・マック、プリンスなど伝説的なアーティストの楽曲権利を「膨大に」有しており、「われわれは音楽業界のマーベルのような存在だ」と強調した。

ただ、具体的な契約についてはコメントを控えた。

ワーナーミュージックは、現在活躍しているアーティストだけでなく、亡くなったアーティストの遺族や遺産管理団体と協力して、彼らの物語を伝える新しい方法を見つけ、他社と連携してそれを実現できるという。

キンクル氏は、「世界中でそれをよみがえらせることができる会社と提携することは、当社にとって非常に有意義なことだ」と語った。

キンクルCEO

著名アーティストの楽曲を使用した音楽伝記映画やドキュメンタリー作品などはレーベルや権利保有者にとって不可欠なビジネスとなっている。音楽をテーマとする映像作品への需要の高まりを背景に、ウォルト・ディズニーの「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ(原題:Springsteen: Deliver Me from Nowhere)」などが今後、公開を予定している。

ワーナー・ミュージックは7月、人員削減と3億ドル(約460億円)のコスト削減を発表。同時に、ベイン・キャピタルと提携し、象徴的な音楽カタログに最大12億ドルの投資を行うと発表した。

原題:Warner Music In Talks With Netflix for Films About Its Stars (1)(抜粋)

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