(ブルームバーグ):米OpenAIは6日、対話型AI(人工知能)「ChatGPT」内でサードパーティー製アプリと連携してタスクを実行しやすくする機能を発表した。ChatGPTをデジタルサービスの窓口に進化させる最新の取り組み。ユーザーが指示を出すと、外部アプリに接続してタスクをこなす仕組みとなっている。
年次開発者イベントでの発表によると、この新たなオプションを使えばユーザーはChatGPTに指示するだけで、スポティファイのプレイリスト作成や、不動産情報サイトのジローでの物件検索が可能になる。画面設計のフィグマ、旅行予約のエクスペディア、宿泊予約のブッキング・ドットコムなどのアプリとも接続可能だ。新機能の名称は「トーキング・トゥ・アップス(Talking to Apps)」で、初回のみアプリへのログインが必要となる。
OpenAIのブラッド・ライトキャップ最高執行責任者(COO)はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「開発者には、ChatGPTに組み込まれて動作することを前提とした全く新しいアプリを作るチャンスがある。もちろん、既存の人気サービスもChatGPTを通じて利用されることで恩恵を受ける見通しだ」と述べた。
同イベントで言及されたフィグマやエクスペディア、ブッキング・ホールディングスなどの株価はこの日、軒並み上昇し、OpenAIの株式市場への影響力拡大が浮き彫りになった。サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は記者会見で株価の動きについて問われ、「われわれはどう対応すべきか模索中だが、奇妙な現象だ」と述べた。
アルトマン氏によると、ChatGPTの週間ユーザー数は8億人強に達した。ユーザー数の急増が同社の売り上げを押し上げている。サラ・フライア最高財務責任者(CFO)は9月に、今年の売上高が130億ドル(約1兆9600億円)と、昨年の40億ドルを大幅に上回るとの見通しを示した。ただ、巨額の研究・計算コストにより、損益は赤字にとどまっている。
アルトマン氏はいずれは大きな利益を上げる必要があるが、「今は投資と成長の段階だ」と述べた。
OpenAIは巨額投資を埋め合わせするため、企業や開発者へのアピールも図っている。同社はこの日、開発者のAIエージェント構築を支援するソフトウエア「エージェントキット」も発表した。
ChatGPTチーム責任者のニック・タリー氏は、ChatGPTが今後6カ月でユーザーがより多くの新しいソフトウエアにアクセスできる基本システム(OS)に進化する見込みだと説明。「われわれはもともとチャットボットを作ろうとは思ってなかった。少し寄り道をしただけであり、目指していたのはスーパーアシスタントだった」と語った。
原題:OpenAI Lets ChatGPT Users Connect With Spotify, Zillow In App (3)(抜粋)
--取材協力:Edward Ludlow.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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