(ブルームバーグ):中国不動産開発大手の万科企業は5日、今月に償還期限を迎える人民元建て社債の返済延期を提案した。資金繰りを巡る問題が深刻になりつつあることを改めて示唆している。
かつては販売実績で中国最大の住宅デベロッパーだった万科は、12月28日に満期を迎える37億元(約810億円)の社債について、償還延期計画を受け入れるよう保有者に求めた。上海清算所への5日の届け出で明らかにしたもので、22日に債権者会議を開き、提案内容を協議する予定だ。
万科は今月15日に償還を迎える別の元建て社債についても、返済延期を求める意向を示したばかりだった。さらに同社は5日、11億元相当の社債を期限前償還できる発行体コールオプションの行使も見送ることを明らかにした。従来とは異なる対応で、政府系の支援が細る中で資金繰り難が浮き彫りとなっている。
債務を巡る一連の対応策は、万科がここ数カ月で直面してきた財務問題の増大を裏付けている。同社は長引く不動産危機の中でデフォルト(債務不履行)を回避してきた数少ない大手デベロッパーだが、2026年半ばまでに134億元相当の債務が償還期限を迎えるか、返済圧力にさらされる。
中国で比較的健全な不動産開発会社の1社と考えられていた万科は、今月償還を迎える元建て社債の返済を下支えする短期融資を確保しようと銀行と協議したものの、少なくとも大手銀2行から拒否されていた。
万科の債務問題は、低迷する不動産セクターに対する中国当局の支援姿勢を占う試金石となりつつある。同社の筆頭株主である深圳市地鉄集団(深鉄集団)は、これまで300億元超の株主ローンを供与するなど支援してきたが、最近になって融資条件を厳格化するなど姿勢を転換している。
原題:Vanke Seeks to Delay Second Onshore Bond as Crisis Grows (2)(抜粋)
--取材協力:Li Liu、Foster Wong.More stories like this are available on bloomberg.com
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