(ブルームバーグ):トランプ米大統領は6日、米国に輸入される全ての中型および大型トラックに対して、11月1日から25%の関税を課すと表明した。国内産業の保護に向けて関税対象を再び拡大した。
トラック関税の提案を巡っては、デトロイトの自動車メーカーが激しいロビー活動を展開。トランプ氏は当初、関税発動日を10月1日としていたが、影響を懸念する企業からの要請を受けて先送りされていた。
トランプ氏は「2025年11月1日以降、他国から米国に輸入されるすべての中・大型トラックに対し25%の関税を課す」とSNSに投稿したが、詳細には触れなかった。
今回の発表は、米商務省が4月に開始した大型トラック輸入に関する調査に関連している。調査は通商拡大法232条に基づいており、国家安全保障上の観点から重要と判断されれば、製品に輸入関税を課すことが可能になる。
調査対象は重量1万ポンド(約4.5トン)を超える中・大型トラックおよびその部品。トランプ政権は「略奪的な貿易慣行」により、「少数の外国サプライヤー」が米国輸入の大半を占めていると調査の理由を説明していた。
今回の関税は、すでに鉄鋼・アルミニウム関税や厳格な環境規制により影響を受けている業界にとって新たな打撃となる恐れがある。また輸送、建設、自治体サービスといった幅広い分野で使われているトラックの価格を押し上げそうだ。
事情に詳しい関係者によると、ステランティスはメキシコで生産する中型ピックアップトラック「ラム」への影響を懸念し、関税の免除または軽減をトランプ政権に求めていた。一方、競合するゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターはこれに反対。要請が認められれば、米国内で組み立てたトラックに比べてステランティスがコスト面で優位になると異議を唱えていた。
米商務省のデータによると、昨年米国に輸入された中・大型トラックは約24万5000台で、総額200億ドル(約3兆円)余りだった。
トラック関税は、ダイムラー・トラックのフレイトライナーや、ボルボ・グループのマック・トラックス、パッカー傘下のピータービルトおよびケンワースなどの企業に広範な影響を及ぼす可能性がある。
原題:Trump Says US Tariffs on Heavy Truck Imports to Begin Nov. 1 (2)(抜粋)
(第6段落目以降に詳細を追加して更新します)
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