米ウォルト・ディズニーの新作映画「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」が中国で初登場首位と、好スタートを切った。数週間前には同社の「ズートピア2」が海外アニメ作品の興行収入記録を塗り替えたばかりだった。

ディズニーによると、ジェームズ・キャメロン監督のSF映画「アバター」シリーズ第3作となる同作品の中国オープニング週末興収は5760万ドル(約91億円)。外国作品としては今年、ズートピア2に次ぐ好成績となった。

かつて中国市場はハリウッドにとって巨大な収益源だったが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期には中国国内で製作された作品を選好する流れが強まり、米国映画の興行実績は落ち込んでいた。しかし、今年に入り大規模なプロモーションを伴うハリウッド映画が徐々に勢いを取り戻しつつある。

中国における2025年の映画興収は12月21日時点で510億元(約1兆1400億円)と、24年全体の425億元を上回った。伸びに大きく寄与したのは国内製作のアニメ映画「ナタ 魔童の大暴れ」(邦題)で、全体の約30%を占めた。

特にファミリー向け映画が引き続き観客を呼び込んでいると、調査会社コムスコアのマーケットプレーストレンド責任者、ポール・ダーガラベディアン氏は指摘。高品質なファミリー作品は「文化的な違いや言語の壁を超えて、観客とつながる」と語った。

ズートピア2はすでに中国で5億3900万ドルを稼ぎ、なおも伸び続けている。

アバターシリーズの人気も高い。米映画情報サイトのボックス・オフィス・モジョによれば、2022年公開の前作「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」は中国で累計興収2億4700万ドル、1作目は2億6200万ドルを記録。

チケットプラットフォームの猫眼による現時点の予測では、アバター3作目の中国興収は約11億元と、外国映画としては今年2位の成績が見込まれている。

北米の週末興収ランキングでも同作品は初登場首位。米国とカナダの劇場で8800万ドルを稼いだ。ただ、ボックスオフィス・プロの予測(1億-1億2000万ドル)は下回った。ディズニーは週末を前に最大9000万ドルを見込んでいた。

原題:‘Avatar 3’ Tops China Box Office in Another Win for Disney、Disney’s ‘Avatar 3’ Hits Theaters With $88 Million Opening(抜粋)

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