米アルファベット傘下の自動運転タクシー、ウェイモの無人運行サービスが20日、米西海岸のサンフランシスコで発生した大規模停電の影響を受け、走行中の車両が市内各地で立ち往生し交通の妨げとなった。

SNSに投稿された動画では、20日に主要交差点の信号機が消灯した後、ハザードランプを点滅させた複数のウェイモ車が道路中央で止まっている様子が確認された。電力会社パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)によると、停電は一時13万人の利用者に影響した。繁忙期の年末商戦中に店舗の休業や公共交通の混乱を引き起こし、ウェイモの多くの車両もその影響を受けた。

ウェイモ車で帰宅途中に停電に遭遇したと話すサンフランシスコ在住の人工知能(AI)エンジニア、ミケーレ・リーヴァさん(30)によれば、車は交通量の少ない地区では通行人が道路を横断しているにもかかわらず走行を続けたが、信号が機能しない「非常に混雑した交差点」の手前で突然停止。何の警告もなかったという。

「しばらくウェイモの中で様子を見ていた」というリーヴァさんは、「信号が止まっていたせいで、多くの人が道を横断していた。おそらくウェイモはどうしていいか判断できなかったのだと思う」と話した。

リーヴァさんは、車が停止した後にカスタマーサポートに連絡を試みたが、待ち時間が長く、他の乗客からの問い合わせで対応が追いつかない状態だったため、3分ほどで諦めて徒歩で自宅に向かったという。

ウェイモは21日、アプリ上で「ベイエリアのサービスは一時停止中」との通知を表示した。影響は少なくとも7都市に及んだ。同社の広報担当者は発表資料で「市当局と緊密に連携し懸命に対応を進めており、早期のサービス再開を目指している」と説明した。

PG&Eは停電について、変電所で発生した火災が原因だと説明。20日夜までに大部分の送電を復旧させ、21日朝までに11万人の利用者への電力供給を再開したが、2万1000人が依然停電状態にあるとしている。

一方、ウェイモと直接競合するテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はX(旧ツイッター)に投稿し、自社のロボタクシーは停電の「影響を受けなかった」と述べた。

原題:Waymos Froze, Blocked Traffic During San Francisco Power Outage(抜粋)

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