(ブルームバーグ):米映画・テレビ業界の俳優が加盟する労働組合が、エンターテインメント業界を風刺した口コミ動画に登場する人工知能(AI)俳優「ティリー・ノーウッド」に反発している。
ロサンゼルスに本拠を置く映画俳優組合・米テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-Aftra)は9月30日の声明で、「人間のパフォーマーを合成キャラクターで代用することに反対する」と表明。
そうしたキャラクターについて、「演技を盗んで俳優の仕事を奪い、パフォーマーの生活を脅かし、人間の芸術性をおとしめるという問題を引き起こす」と批判した。
一方、ノーウッドの生みの親エリーネ・ファン・デル・フェルデン氏は、このキャラクターは俳優の「代替物ではなく実験だ」とSNSに投稿。AIは「新しい道具であり、新しい絵筆だ」と主張した。
同氏の会社パーティクル6は、「欧州の新進気鋭のAI制作スタジオ」だとうたっている。2015年に設立された同社のウェブサイトによると、BBCスリーやハースト・ネットワークス、スカイ・キッズなど向けにコンテンツを制作してきたという。
今回拡散した動画「AIコミッショナー」は、英国のテレビスタジオが番組企画を売り込む様子を描いたAI生成のパロディー作品だ。
ハリウッドではAIへの反感が強まっている。23年にはSAG-Aftraと米脚本家組合(WGA)が、AIに仕事を奪われないという保証を求めてストライキを実施した。
原題:AI-Generated Actress Draws a Rebuke From Actors Union (2)(抜粋)
--取材協力:Rachel Metz.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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