インド株式市場で海外投資資金の流出が今年、過去最大規模に達する見通しだ。米国の関税措置や企業の業績不振が投資家心理を圧迫している。

ブルームバーグの集計によれば、海外投資家によるインド株式の純流出額は年初来で26日までに168億ドル(約2兆4900億円)に達した。

売りは7-9月期に入り加速している。トランプ米政権は、インドからの輸入品に対してアジアで最も高い50%の関税を発動したほか、専門技術者向け就労ビザ「H-1Bビザ」の手数料を大幅に引き上げた。

米国との貿易合意を巡る不透明感に加え依然として高いバリュエーションを背景に、海外資金が早期に戻る可能性は低いと市場関係者はみている。

サクソ・マーケッツのチーフ投資ストラテジスト、チャル・チャナナ氏は、「短期的に海外資金が急回復するとは考えにくい」と指摘。持続的な回復には、米通商・移民政策の明確化やルピー相場の安定に加え、今会計年度の企業利益がバリュエーションを正当化できる裏付けが必要だとの見方を示した。

資金流出はルピー相場の重しにもなっている。ルピーは今年、アジア通貨の中では弱さが目立ち、現地通貨建て資産の魅力を損なってきた。対ドルで今年3.5%超下落している。

原題:Global Investors Are Ditching Indian Stocks Faster Than Ever (1)(抜粋)

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