(ブルームバーグ):米オンラインゲーム・プラットフォーム運営会社ロブロックスが三つの権利擁護団体から批判を受けている。13歳未満の子どもが同性婚など「センシティブな問題」に関連するゲームを遊ぶ際には保護者の承認が必要になるとの同社の方針について、利益よりも害をもたらすと団体側は主張している。
ロブロックスは8月、開発者に対し、社会的・政治的・宗教的な対立を招く恐れのある内容を含むゲームを識別できるようにするよう要請。同社のプラットフォームにおいて、13歳未満の子どもがこのようなゲームを利用できないよう自動化し、遊ぶ際には保護者の承認が必要となる仕組みにした。
この方針に対し、ゲーム業界で働く性的少数者や女性、黒人などをそれぞれ支援する「アウト・メイキング・ゲームズ」「ウィメン・イン・ゲームズ」「ベイム・イン・ゲームズ」の3団体は9月30日付の書簡で、「創造的表現と社会正義の双方にとって後退だ」と非難した。
団体側は、ロブロックスが「センシティブな問題」に、リプロダクティブライツ(性と生殖に関する権利)やアファーマティブアクション(積極的差別是正措置)を含めたことに懸念を示している。ロブロックスはこの他、スポーツ界における男女間の賃金格差や移民、死刑、銃規制、ワクチン接種などを対象としている。
団体側は「平等や人権を『センシティブ』と分類することで、ロブロックスはこれらが基本的なものではなく、議論の余地があるものとして扱っている」と指摘した。

また、米国内でLGBTQなど性的少数者に該当するゲームユーザーは11%を占めており、そのうちゲーム内でLGBTQに関するトピックが扱われると精神状態が改善すると回答した割合は89%に達していると明らかにした。
ロブロックスは8月、トピックの選定に当たっては「二極化した見解」や「感情的な強い反応」を基準にしたと説明。「いかなるセンシティブな問題に対しても立場を示すものではない」と強調した。
今回の団体からの批判に対しては、創造性と表現を歓迎し尊重すると回答。広報担当者は「世界中の家族が特定のトピックについて子どもと議論する際に異なるアプローチを取ることを尊重している。各家族にとってどのコンテンツが適切なのかを保護者に判断してもらえるようにしたい」とした上で、方針の影響を受けるのは「ごく一部の体験のみ」だと述べた。
原題:Roblox Curbs on ‘Sensitive’ Games Criticized by Advocacy Groups(抜粋)
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