旧ソ連の東欧モルドバで28日に実施された議会選挙は開票が進み、親欧派の与党が最も多くの票を獲得する情勢だ。同選挙を巡ってはロシアによる干渉疑惑が浮上している。

サンドゥ大統領率いる政権与党「行動と連帯(PAS)」は、開票率80%超の時点で得票率が45%と首位を走っている。ドドン元大統領が率いる親ロシア派「愛国者ブロック」は27.6%、首都キシナウのチェバン市長が設立した政党ブロック「オルタナティブ」は8.8%で後に続いている。

投票するサンドゥ大統領(28日)

このまま結果が確定すれば、サンドゥ大統領率いる与党は過半数に届かず、欧州連合(EU)加盟に向けた道のりが険しくなる。

ただし、現時点での開票には国外在住者の票がほとんど含まれていない。こうした在外投票は昨年のサンドゥ大統領の再選や、EUへの加盟目標を憲法に明記する国民投票の結果を左右した。

ロシアがモルドバを自らの勢力圏に引き戻そうとする一方で、欧州側はEU加盟を約束して対抗する綱引きが続いている。

ロシアが選挙への干渉を試みているとの疑惑が浮上する中、ウクライナのゼレンスキー大統領は先週、世界の指導者に対し、モルドバへの支持を呼びかけた。

ブルームバーグは先週、ロシアが今回の選挙に干渉し、EU加盟路線を妨害するためにさまざまな戦術を計画したと報じた。その内容は、大勢の人々を動員した破壊的なデモやソーシャルメディアでの偽情報の拡散など多岐にわたるという。

ロシアは繰り返し外国の選挙への干渉を否定している。

原題:Moldova’s Pro-EU Party Set to Win Most Votes in Election (1)(抜粋)

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