(ブルームバーグ):米国株相場は過去5カ月間、記録的な上昇相場となった。景気や関税の影響を巡る市場の懸念も見られたが、そうした警戒論を退けてきた。
だが先週は少しだけムードが変わった。S&P500種株価指数は25日に3日続落となった。
米金融当局が17日に利下げに踏み切って以降、上昇率は1%に満たない。大手テクノロジー銘柄のほか消費関連や素材関連、ヘルスケアなど幅広い銘柄で軟調な動きが見られた。
市場のポジションを見ると、投資家が年末の株高を見込んでいる傾向も見られる。ボラティリティー(変動性)は長期の平均を大きく下回ったままで、デリバティブ(金融派生商品)市場では下落よりも急上昇へのヘッジにコストがかけられている。
ただ、ウォール街のベテランはリスク資産への熱狂に警鐘を鳴らしている。
懸念材料もある。トランプ米大統領は25日、布張り家具やブランド医薬品、大型トラックへの関税措置を発表。関税重視の姿勢を改めて示した。
向こう5週間は、強気相場の持続性をみる上で重要な情報が出てくる。各社の決算発表もその一つだ。
10月3日に公表される米雇用統計は労働市場の動向を探る手掛かりとなる。米金融当局は今月、労働市場に軟化の兆しが強まっていることを受け、利下げに踏み切った。次の金融政策決定は10月29日に予定されている。
米国では2025会計年度(24年10月-25年9月)末を迎え、つなぎ予算が成立しなければ、10月1日から政府機関の一部が閉鎖に追い込まれる恐れがある。市場はこれまで意に介さなかったが、リスクは日増しに強まっている。
10月は米株市場で最も変動が大きい月としても知られている。
カラン・ファミリー・オフィスの投資管理パートナー、レイアン・ミトリオーネ氏は、「ここ数カ月の株高でバリュエーションが上昇したことを踏まえると、近く株価が調整し、10月にボラティリティーが高まっても驚くことはない」とコメント。「10-12月(第4四半期)も、このペースで株高が続くとは考えにくい」と話した。

原題:US Stock Rally Cools as October Turbulence, Earnings Season Loom(抜粋)
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