(ブルームバーグ):米アップルは25日、欧州連合(EU)の競争法当局に対し、デジタル市場の消費者保護を目的とした規制を包括的に見直すよう求めた。ユーザーのプライバシーを危険にさらし、イノベーションを損なう恐れがあると主張している。
同社はブログ投稿で、EUが昨年施行した包括的な規制について改めて反対姿勢を示した。EUはこの規制で、モバイルアプリや検索エンジンなど多岐にわたる分野で巨大なテクノロジー企業がインターネット分野で支配的地位を乱用することを防ごうとしている。
アップルは規制を順守していると強調しつつ、規制の影響を域内の住民や企業に即して検証すべきだと促した。EUの行政執行機関、欧州委員会に提出した別の文書では、規制の撤廃または縮小を要請した。
アップルは以前から、EUのデジタル市場法(DMA)に反対を表明している。
同社は今回、外部決済サービスの受け入れやサードパーティーのオンライン市場からアプリをダウンロードする「サイドローディング」の義務化がユーザーをマルウエア(悪意あるソフト)や詐欺にさらす危険性を指摘。また、他社がユーザーデータを要求できる条項も、機密情報を危うくする恐れがあると批判した。
アップルはブログで「DMAによってEUのアップルユーザーの体験は悪化している。新たなリスクにさらされ、アップル製品がシンプルかつシームレスに連携する仕組みが崩されている」とコメント。
「DMAは欧州市場の助けにもなっていない。イノベーションで競争する代わりに、既に成功している企業が自らの目的のために法律をゆがめ、EU市民からさらに多くのデータを収集したり、アップルのテクノロジーを無償で得ようとしている」と訴えた。
原題:Apple Asks EU to Repeal Sweeping Big Tech Antitrust Rules(抜粋)
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