(ブルームバーグ):トヨタ自動車グループが豊田自動織機に対する株式公開買い付け(TOB)価格を1万8800円に引き上げると発表した。従来から15%程度の増額となる。TOBを巡っては価格の低さに株主から批判も出ており、今回の引き上げで決着するかは不透明だ
豊田通商やデンソーなどグループ各社が14日に開示した資料で明らかになった。15日にTOBを開始するという。昨年12月から今年1月にかけて、TOBを主導するトヨタ不動産や、豊田自動織機から取引の成立確度を高めるため、価格を引き上げたいとの申し出があったとしている。

昨年6月に公表されたトヨタグループによる豊田織機の買収・非公開化計画を巡っては、1万6300円のTOB価格が発表直前の終値を11%下回ることから、「ディスカウントTOB」だとして当初から市場では失望する声も上がった。
その後、アクティビスト(物言う投資家)として知られる米エリオット・インベストメント・マネジメントが豊田織機の大株主として浮上し、株価はTOB価格を大きく上回る水準で推移するなど引き上げに対する期待が高まっていた。
エリオットは11月に開示された豊田織機の半期報告書で同社の発行済み株式3.26%に当たる979万5000株を9月30日時点で保有していたことが判明。12月に入り、同社が提出した大量保有報告書により保有株が5.01%まで増加したことが分かった。
エリオットはトヨタの源流企業である豊田織機が保有する株式の価値に注目しているとされる。豊田織機は9.15%保有するトヨタ株を含めグループ各社の株式を数多く保有しており、日本株全体の上昇もあってその価値はTOB発表時から大きく上昇している。

ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは、豊田織機の保有する株式の価値が上がっていることを踏まえると、「TOB価格が上がるのはおかしくはない」と指摘する。ただ価格引き上げになったものの、豊田織機の本源的な価値を巡る論争は終わらない可能性もあるとの見方を示した。
トヨタの佐藤恒治社長は昨年10月、トヨタは買い付け主体ではないためTOB価格決定に関与していないが、トヨタ不動産からの情報では価格見直しをする予定はないとコメントしていた。
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