シンガポール最大のタクシー会社コンフォートデルグロは、25日からマレーシアへの片道乗車サービスを開始する。世界で最も交通量の多い陸路国境の一つで移動手段を拡充し、利用者の利便性を高める。

同社のフェイスブックへの投稿によると、シンガポール国内のほとんどの場所から80シンガポールドル(約9200円)の固定料金でマレーシア・ジョホールバル市に行けるようになる。降車地は同市のラーキン・ターミナルとなる。

シンガポール陸上交通庁(LTA)と地元のタクシー・配車業者団体による8月の協議を経て、サービス開始が決まった。

LTAのフェイスブックへの今月初めの投稿によると、各団体からは現行の越境タクシーサービスでは、家族連れやマレーシアにいる親族を訪問する高齢者、ビジネス渡航者などの需要に対応しきれていないとの指摘があった。

運行枠の拡大や大型車両の許可、アプリ経由の配車サービス企業との提携についても協議したという。

シンガポールとマレーシアは、ジョホール・シンガポール特別経済区(JS-SEZ)の下で二国間協力を強化し、数十億ドル規模の投資誘致と労働力の流動性向上を目指している。

シンガポールとジョホールバル間では、高速鉄道「ラピッド・トランジット・システム(RTS)リンク」プロジェクトも進められており、国境を越えた交通手段はさらに拡大する見込みだ。RTSリンクは、各方向へ1時間あたり最大1万人を輸送する能力を持ち、2026年末までの運行開始が見込まれている。

原題:Singapore Expands Taxi Services Into Johor With $60 Rides(抜粋)

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