(ブルームバーグ):トランプ米大統領は19日、専門技術を持つ外国人向けのH-1Bビザ制度を大幅に見直す大統領令に署名した。過度な利用を抑制するため、申請に10万ドル(約1480万円)の手数料を課す。
今回の措置はトランプ政権による最新の移民制度改革であり、高度な専門技能を持つ人材を対象にしたH-1Bプログラムへの依存度が高い産業にとりわけ大きな影響を及ぼすとみられる。
トランプ氏が署名した大統領布告では、H-1Bビザ制度の乱用が米国人労働者の仕事を奪っていると主張し、支払いを伴わない限り、H-1Bプログラムでの入国を制限するとしている。
ホワイトハウスの説明資料によると、新規のH-1B申請には10万ドルの支払いが必要となる。既存の比較的低額の手数料に上乗せされることになる。H-1Bビザ申請に直接関連する費用としては現在、抽選登録料の215ドルと、雇用主が提出する非移民労働者請願書(フォームI-129)の申請料780ドルがある。
この計画については、ブルームバーグ・ニュースが先に報じていた。
布告には、国家の利益に資すると判断される場合には個別に免除を認める条項もあり、一部の企業や業界に回避の余地が残されている。
トランプ氏は労働長官に対し、H-1Bプログラムの賃金水準を改定する規則策定も命じる計画。米国人労働者に支払われるべき賃金を引き下げる目的でのビザ利用を制限する狙いがある。
このニュースを受け、19日の米株式市場では、アクセンチュアやコグニザント・テクノロジーなどITコンサルティング関連銘柄が下落した。

同ビザは抽選制度に基づき発給されるが、ブルームバーグ・ニュースは以前、制度上の欠陥が一部の雇用主に抜け道を与え、大量応募を通じて悪用されていると報じていた。これらの企業は大手テクノロジー企業とは異なり、しばしば賃金の低い労働者を雇うために同ビザ制度を利用している。

原題:Trump Signs Order to Add $100,000 Fee for H-1B Visa Applications(抜粋)
--取材協力:Marie Patino.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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