(ブルームバーグ):ドイツの高級スポーツカーメーカー、ポルシェと親会社のフォルクスワーゲン(VW)が通期業績見通しを下方修正した。新型電気自動車(EV)の投入延期に関連し、ポルシェの営業利益は18億ユーロ(約3100億円)押し下げられると説明した。
これによりポルシェの通期売上高営業利益率は2%弱となる見通し。従来は5-7%と見込まれていた。同社が今年の通期見通しを下方修正するのは4回目。この発表を受け、同社の米国預託証券(ADR)は一時6.4%下落した。
ポルシェはEV計画で遅れが続いている。「カイエン」の上に位置づけられ、EVのみの展開を予定していたスポーツ用多目的車(SUV)の新モデルも、当初はEVでなく、内燃機関車とハイブリッド車とする方針を明らかにした。

今年に入り複数の経営幹部を交代させたポルシェは、内燃機関車とプラグインハイブリッドのモデル追加や、人員カットを含むコスト削減で業績を回復させようとしている。自前でバッテリーを製造する計画もあったが、EV需要の低迷で断念した。
ポルシェの製品計画見直しを受け、VWも今年の売上高営業利益率見通しを2-3%に引き下げた。従来予想は最大5%だった。同社はポルシェの対応に関連して、約30億ユーロの減損を計上すると明らかにした。VWのADRは一時4.5%下落した。
ポルシェは中期の利益率目標についても従来の最大17%から最大15%へと下方修正した。
原題:Porsche and VW Lower Forecasts Due to Pullback From EVs (2)(抜粋)
--取材協力:Craig Trudell.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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