(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁がユーロ圏の経済成長に対するリスクはより均衡し、ディスインフレの進行は終了したと述べたことを受け、ECBの利下げサイクルは終了した公算が大きいとの見方が短期金融市場では織り込まれつつある。
短期金融市場の織り込み具合に従うと、来年末まで政策金利は据え置かれるとの見方をトレーダーらは支持している。11日にECBが政策を発表する前は、来年半ばまでに1回の追加利下げが織り込まれていた。
この見方の変化により、ユーロは上昇し、欧州債は金融政策への感応度の高い短期物を中心に売られた。ドイツ2年債利回りは一時5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して約2%と、4月以来の高水準に達した。
みずほインターナショナルの欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域マクロ戦略部門責任者ジョーダン・ロチェスター氏は「きょうはECBタカ派の日だ」と述べ、欧州債の下落に「自分なら逆らわない」と続けた。

利下げを今月再開しそうな米国に対し、ECBが金利据え置きを続ける見通しとなったことから、ユーロはドルに対して下げを解消し、一時0.4%高の1.1746ドルと上伸した。
短期金融市場が見込む来年半ばまでにECBが0.25ポイントの追加利下げを行う確率は、いまや50%を下回った。ラガルド総裁の記者会見前は60%を超えていた。市場が織り込むECBの利下げ確率は来年半ばがピークで、それ以降は低下する。
アビバ・インベスターズの金利責任者、エド・ハッチングス氏は「ECBの金利は恐らく現時点がターミナルレートだろう。2026年はより興味深い年になりそうだ」と述べ、「利上げに動くのはいつか、投資家は問いかけを始める」かもしれないと続けた。
原題:Traders Bet European Central Bank Is Likely Done Cutting Rates(抜粋)
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