タイ最高裁は9日、タクシン元首相に対し禁錮1年の判決を言い渡した。過去の有罪判決による刑期を完了させるため、収監が必要だと判断した。娘のペートンタン前首相が先月失職したばかりの元首相にとって、新たな打撃となる。

最高裁は、権力乱用と利益相反で有罪判決を受けたタクシン元首相が2023年に警察病院で過ごした6カ月について、服役期間に算入されないと結論付けた。この判決は最終的なもので、上訴はできない。

裁判所に到着したタクシン元首相とペートンタン前首相(9月9日、バンコク)

最高裁は、刑務所から警察病院に元首相が移されたことは違法であり、主張と異なり緊急入院を要するような重い疾病でもなかったとして、病院収容は正当化されないと判断した。

元首相の収監は、20年以上にわたりタイ政界に大きな存在感を示してきたタクシン一族の将来に疑問を投げかけている。タクシン派からはこれまでに6人の首相が誕生したが、いずれも裁判所の判断やクーデターで解任されてきた。

タクシン元首相は23年、汚職と権力乱用の罪で8年の実刑判決を受けた後、恩赦で刑期が1年に減刑された。刑務所に収監されたのは数時間だけで、すぐに病院に移された。24年には仮釈放されていた。

原題:Thaksin Gets One Year in Jail for Dodging Thai Prison Term (2)(抜粋)

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