フランスの首相が臨時国会を召集し、来年度予算案の承認を得るために内閣の信任投票を行いましたが、極右政党などの反対多数で不信任となりました。フランスでは2年連続で内閣が崩壊することになります。

フランスで内政を担うバイル首相は先月、年金支給額の実質減額や祝日の一部廃止など、およそ7兆6000億円規模の歳出削減を盛り込んだ来年度予算案を発表しました。

フランスでは去年の財政赤字が29兆円に上るなど深刻化していて、EUが定める財政赤字の上限を大幅に超えています。

フランス バイル首相
「私たちの自由、公共サービス、社会が危機的状況に陥っています。過剰な債務を抑えられるかどうかにかかっているのです。反対勢力は政府を倒すことができても、現実を消し去ることはできない」

バイル首相は8日、予算案の承認を得るために下院にあたる国民議会を臨時招集して、内閣の信任投票を実施しましたが、極右政党や急進左派政党など野党の反対多数で不信任となりました。

バイル内閣は退陣することになり、マクロン大統領は新たな首相を選出する必要がありますが、フランスでは去年も予算案をめぐって内閣総辞職に追い込まれていて、内閣の崩壊は2年連続で、大統領の求心力低下は避けられない情勢です。