(ブルームバーグ):家具小売り大手イケアの創業者が同社の資金を管理するために設立したインテロゴ財団が、英国ホテルのポートフォリオの売却を計画している。資金規模は5億ポンド(約1000億円)となる。
電子メールで送付された5日の発表資料によると、同財団が所有する不動産会社バスティント・ホールディングが戦略見直しの完了を受け、JLLとKPMG・UKを売却に関するアドバイザーにそれぞれ指名した。
このポートフォリオには、バスティント傘下部門がフランチャイズ契約の下で運営する「マリオット」ブランドのホテル15軒(計3230室)が含まれるという。
英国の商業不動産投資市場において、ホテルはまれに見る好調な分野となっていた。サヴィルズがまとめたデータによると、2024年の取引額は57億ポンドと7年ぶりの高水準に達した。
固定賃料や長期リース契約の不動産はインフレ高止まりの局面で苦戦する可能性がある。一方、多くのホテルが採用するマネジメント契約は、客室料金を日々調整できるため、家主にとってコスト上昇に対するヘッジとなる。
ただ、英国全体の活動は低迷してきている。昨年は大型案件が相次いだものの、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの集計データによれば、今年1-6月(上期)の取引額は59%減少した。
JLLの発表文によると、ポートフォリオには、欧州最大のモクシーホテル群に加え、ACホテル・バイ・マリオットやコートヤード・バイ・マリオットのブランドで運営される物件も含まれている。
JLLの英国ナショナルホテル責任者カー・ヤング氏は「これは質の高いセレクトサービス型英国ホテルのポートフォリオで、マリオットの強力なグローバル流通プラットフォームによる最高クラスのブランド認知に支えられ、十分な投資を受けた自社運営基盤を備えている」と説明した。
原題:Ikea Linked Foundation Plans Sale of £500 Million UK Hotels (1)(抜粋)
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