(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)は、高リスク融資に必要な引当金の水準を巡る銀行との長年の対立に終止符を打った。巨額の追加引当金を求める根拠とした、議論の分かれるモデルの使用を縮小したことが対立解消に寄与した。
ECBが採用していたモデルはレバレッジドローンに対する銀行のエクスポージャーを基に、被り得る損失を詳細に検証するものだった。このモデルが当初はじき出した結果は130億ユーロ(約2兆2600億円)の引当金不足で、銀行の猛反発を招いた。これを受けてECBは、要求する追加引当金を約70億ユーロに減額した。
事情に詳しい関係者によると、ECBはリスクを定量化する上でこのモデルの使用を縮小し、要求額をさらに引き下げた。モデルの分析結果は引当金不足額の算定には反映されないが、ポートフォリオのリスク管理には有益だろうと説明された銀行も数行あると、部外秘の情報だとして匿名を要請した関係者は明らかにした。
ECB報道官はコメントを控えた。
ECBはBNPパリバやソシエテ・ジェネラル、ドイツ銀行、ウニクレディトなど12行に的を絞り、各行のレバレッジドファイナンスを検証していた。厳しいモデルに基づく検証作業はECBスタッフや銀行監督部門の理事からも批判が出ていた。
原題:ECB Curbs Black Box Models to End Standoff Over Risky Loans(抜粋)
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