最後のイベント「セカンド・ライフ」を視野に
つまりは、人生の往路で多くのライフイベントを乗り越え、復路はローンを返済しながら生活を充実させていくというのが平均的な日本人の類型だと想定される。
こうした人生設計の中、折り返し地点で視野に入れておきたいのが「リタイア後のセカンド・ライフ」という人生最後のイベントである。
子供・学生時代の約20年間、現役時代の成長期約25年間、同じく現役時代の成熟期約25年間を経て、リタイア後のセカンド・ライフの時間は「人生100年時代」の到来で20年以上と推定されている。
短くはないセカンド・ライフを悔いなく、経済的な不安なく過ごすためには、早めに準備を進めておくのが無難だろう。
40~50代で「投資は必要」派が増加
日本証券業協会が実施している「2024年個人投資家の証券投資に関する意識調査」から、男女別、年代別に証券投資の必要性を尋ねた結果をグラフ化したものを見ると、40~50代にかけて「証券投資は必要」と考える人が増加している。
一方、50代後半以降は一転して「必要ない」との回答が増えていく。この反応は、既に十分に資産を蓄えたという自信の表れか、あるいは、時間切れでギブアップなのか定かではないが......。
いずれにせよ、人生の折り返し点に差し掛かった40~50代には、復路のラストに待ち受けるセカンド・ライフに向けて「投資」というサポートを考え始めている人が少なくないのである。
復路のスタート地点でのアクションが重要
ちなみに、私自身は冒頭に挙げた例で言うなら「あと半分しかない」と嘆くタイプであり、自分が生まれた頃と今の平均寿命を比較することで自らを鼓舞している。
45年前の1980年の平均寿命は男性73.4歳、女性 78.8歳。出生時にはそれだけしか生きられないと予想されていたことを思えば、今は「まだ40年も残っている」のだから、心にも多少は余裕が持てる。
ただし、人生最後のギフトでもあるセカンド・ライフを謳歌するためには、繰り返すが、復路のスタート地点での最初の「アクション」が重要になる。
私から同世代の皆さんに送りたいメッセージは、「少年よ大志を抱け」ならぬ「中年よ投資を抱け」である。
情報提供、記事執筆:三菱UFJ信託銀行 トラストファイナンシャルプランナー 荒 和英