(ブルームバーグ):ヨガウエアメーカーのルルレモン・アスレティカは4日、業績見通しを下方修正した。関税負担が重くのしかかる中、3四半期連続で投資家の失望を招いた。
カナダのバンクーバーに本社を置くルルレモンは、少額商品に適用されていた「デミニミス」関税免除制度をトランプ米大統領が廃止したことを受け、2億4000万ドル(約360億円)の痛手が見込まれることを明らかにした。同制度は800ドル未満の米国向けEC(電子商取引)商品について関税を免除するもので、ルルレモンはカナダからの発送で活用していた。
8-10月(第3四半期)の売上高は24億7000万-25億ドルの見込みで、市場予想を下回る水準とした。通期の売上高と1株利益見通しもともに引き下げた。
発表を受けて、米東部時間4日午後6時29分(日本時間5日午前7時29分)時点で株価は16%下落した。
株価が年初から4日の通常取引終値までに46%下落し、コロナ禍での値上がり分が失われた中、投資家の信頼回復に向けたカルビン・マクドナルド最高経営責任者(CEO)の取り組みは、経済情勢によって複雑化している。

高価格なレギンスで知られるルルレモンは、価格に敏感な消費者の支持を取り戻す必要に迫られている。こうした消費者は支出を抑える一方で、より新しいブランドを試すことに前向きだ。
マクドナルド氏の下で、ルルレモンは関税負担に対応するため一部商品の値上げを実施。組織のスリム化も進めており、6月には本社スタッフ150人を削減した。
5-7月(第2四半期)の既存店売上高は1%増にとどまり、アナリスト予想(約3%増)を下回った。

マクドナルド氏はアナリスト向け電話会見で、「消費者に疲れが見受けられる。長期にわたって当社を支持してくれている上得意客の場合に特にそうだ」と指摘。また、商品のライフサイクルが長期化する中で、消費者は新しさを求めていると述べた。
原題:Lululemon Falls on Slashed Outlook as Sales Growth Slows (2)(抜粋)
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