(ブルームバーグ):デザインソフトの米フィグマの株価は4日の取引で急落し、7月31日の上場初日以来の安値に沈んだ。通期の売上高見通しが投資家の高い期待に応えられなかった。
3日の発表資料によると、通期売上高は約10億2000万ドル(約1500億円)になる見通し。これはアナリスト予想平均とほぼ同水準。調整後営業利益の予測は8800万-9800万ドル。市場予想平均は8800万ドルだった。

フィグマの主力製品は、ウェブやモバイルアプリのデザインに使われる。同社はアイデア出しや共同作業、ソフトウエア開発向けのツールにも事業を拡大してきた。上場後の最初の決算発表で、4-6月(第2四半期)に顧客の8割強が二つ以上の製品を利用したと明らかにした。
フィグマの4日の株価は20%安の54.56ドル。新規株式公開(IPO)価格が33ドルに設定された同社の株価は、7月31日の上場初日に3.5倍に急騰したが、その後53%下落している。

RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、リシ・ジャルリア氏は決算発表前のリポートで、投資家の間では人工知能(AI)でアプリ開発が効率化することで、フィグマ製品のニーズが低下するとの慎重な見方が広がっていると指摘した。「Lovable」や「Bolt」といったAI特化型ソフトウエア開発アプリが今年に入り急速に存在感を増しており、フィグマの競合相手になる可能性がある。
ただ同社は新しいテクノロジーへの投資を積極的に進めており、AIが「強力な追い風」になるとも考えられるという。
4-6月期の売上高は前年同期比41%増の2億4960万ドルだった。一部項目を除いた営業利益は1150万ドルとなり、前年同期の488万ドルから大きく増えた。
原題:Figma Shares Tumble on Weak Sales Growth Outlook After IPO (3)(抜粋)
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