ヘッジファンドが積み上げた米国産原油への強気ポジションが、約18年ぶりの低水準となった。経済政策の先行き不透明感が供給過剰懸念に拍車をかけている。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、運用担当者によるウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の買い越しは8月26日終了週に5461枚減の2万4225枚と、2007年1月以来の低水準に落ち込んだ。

一方、ショート(売り持ち)オンリーのポジションは1年8カ月ぶりの高水準に達した。

 

年末に向け原油市場が過剰供給に陥るとの懸念が強まり、トランプ政権が仕掛けた貿易戦争がエネルギー消費の見通しを悪化させる中、ファンドマネジャーの原油に対する強気姿勢は4週連続で後退している。

短期的には、ウクライナでの戦争を理由にロシア産原油への制裁を強化すると警告していたトランプ大統領の主張は実行に移されておらず、トレーダーは強気ポジションを解消。トランプ氏は先週、米連邦準備制度への介入姿勢をさらに強めたため、リスク資産への投資妙味も低下している。

過剰供給への懸念は世界的に広がっているが、米経済に対する投資家の懸念は、国際指標にはそれほど表れていない。ICEフューチャーズ・ヨーロッパのデータによると、北海ブレント原油のロング(買い持ち)オンリーのポジションは3週間ぶりの高水準。

原題:Hedge Funds Slash Bullish Oil Bets to 2007 Low on Glut Concern(抜粋)

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