財務省が1日発表した法人企業統計(速報値)によると、4-6月期の全産業(金融・保険を除く)の設備投資は2四半期連続のプラスとなった。

設備投資は前年同期比7.6%増で、市場予想の同6.1%増を上回った。8日発表の国内総生産(GDP)改定値に反映されるソフトウエアを除くベースでは同5.2%増。市場予想では同4.9%増が見込まれていた。前期比では0.2%増だった。製造業で輸送用機械や食料品、非製造業では情報通信や卸売り・小売りが伸びた。

日本経済は4-6月期に、過去の実績値の改定もあって5四半期連続のプラス成長を記録した。今回の結果はGDP改定値に大きな影響はなく、プラスを維持するとの見方が出ている。経済活動の堅調な推移は日本銀行の利上げ方針を後押しするが、米関税措置による影響が読み切れない側面もある。

ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長はGDP改定値への影響はそれほどなく、プラスで変わりないだろうと指摘した。設備投資は現在プラスだが、今後はトランプ関税の影響が強まってきて慎重になっていくとの見方を示した。

 

今回の結果について財務省は、景気が緩やかに回復している状況を反映したものと考えていると説明。物価上昇の継続、米国の通商政策、金融資本市場の変動等の影響も含め、今後とも企業動向を注視していくとした。

米国の関税措置を巡っては、8月7日から日本からの輸入品に一律15%の関税を上乗せするなど、日米合意に沿わない措置が発動された。赤沢亮正経済再生担当相は上乗せを是正する大統領令の修正と自動車・自動車部品への関税を15%に引き下げる大統領令の同時発令を、米閣僚と確認しているが、日時は明確になっていない。

4ー6月期の経常利益は前年同期比0.2%増と3期連続のプラス。市場予想は0.4%減だった。金額は35兆8338億円で過去最高を記録した。ただ製造業に限れば同11.5%減となり、財務省の説明によると自動車などの輸送用機械は米関税の影響を受けて減益となった。非製造業は同6.6%増だった。

一方、売上高は0.8%増と17期連続のプラスとなった。市場予想では1.4%増が見込まれていた。

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--取材協力:野原良明.

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