(ブルームバーグ):香港政府が設立した投資ファンド、香港投資管理(HKIC)は、資金を投じる際に世界の政治に左右されることはないと、同ファンドのクララ・チャン最高経営責任者(CEO)が述べた。
ブルームバーグテレビジョンの27日のインタビューで語った。チャンCEOは「地政学的な要素は他のリスクと同様に今や投資判断における前提条件の一つだ」とする一方、「だが『忍耐強い資金』の強みは、景気の波を乗り越えられる点にある」と指摘した。
さらに、適切なテーマを見極め、早い段階で投資することが、こうした課題に対応する上で重要だと強調。「うわさや雑音などは実際のところ、われわれが市場に参入する好機になり得ると言えるだろう」と語った。
HKICは香港政府が2022年に設立。チャン氏が初代CEOに就任した。資本金は620億香港ドル(約1兆1800億円)で、経済や産業の振興のほか、香港に近い中国本土都市との関係強化を目指している。
チャン氏によれば、HKICは金融面のリターンに加え、イノベーションやテクノロジーなど香港に新たな成長をもたらす分野への投資を重視しているという。既に120件超のプロジェクトに出資しており、人工知能(AI)を含むテクノロジー分野に加え、バイオテクノロジーや新エネルギー分野にも重点を置いている。
投資先企業には、PHASEサイエンティフィック(相達生物科技)やエコセレスなどが含まれる。現在、香港市場に上場している企業が2社あり、さらに10社強が年内の新規株式公開(IPO)を目指している。
原題:Hong Kong’s Investment Firm Sees Opportunities From Geopolitics(抜粋)
--取材協力:Joanne Wong、Yvonne Man.
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