米消費者の信頼感は8月に小幅に低下し、雇用と所得に対する懸念が深まっていることを反映した。

今後6カ月の見通しを示す期待指数は低下。現況指数は4月以来の水準に下げた。

左:消費者信頼感指数、右:「職探しが困難」と答えた人の比率

消費者信頼感指数は8月も新型コロナ禍前の水準を大きく下回った。トランプ大統領の関税政策に起因する経済への不安は、最近の労働市場減速で深まった。雇用と賃金の伸びは著しく減速し、失業者の復職がますます困難になっている。

「職探しが困難」と答えた人の比率は2カ月連続で上昇し、2021年以来の高さに達した。「仕事は豊富にある」と答えた人の比率は前月とほぼ変わらなかった。

労働市場の動向を示す重要指標としてエコノミストが注目している両者の差は、小幅に縮小。3年前から縮小傾向にある。

労働市場の悪化は、利下げ再開のタイミングを見極めたい連邦準備制度理事会(FRB)の焦点の一つになっている。パウエルFRB議長が先週、ジャクソンホール会合で行った講演は、雇用市場のリスク上昇を理由に9月に政策金利を引き下げる可能性に道を開いた。

コンファレンスボードによると、向こう1年に金利が上昇すると予想する消費者の比率は上昇し、金利低下を見込む消費者は減少した。

絶えず変化するトランプ大統領の貿易政策が、ここ数カ月の消費者信頼感を圧迫し、物価上昇が予想されている。今回の調査では、こうした不安や食品や日用品の価格への言及が書面回答にあった。

統計では自動車や主要家電の購入計画や旅行への意欲が、いずれも低下した。

動画:消費者信頼感指数の低下を伝えるブルームバーグテレビジョン

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Consumer Confidence Falls Slightly on Job, Income Concerns(抜粋)

(データの詳細と関連情報を加えます)

--取材協力:Chris Middleton、Mark Niquette.

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