(ブルームバーグ):22日の外国為替市場の円相場は1ドル=148円台前半でもみ合い。ジャクソンホール会合でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控え、内容を見極めようと方向感が出づらくなっている。朝方発表の全国消費者物価指数(CPI)が市場予想をやや上回り、円がやや買われる場面もあった。
ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎シニアアナリストは、全国CPIは全体的に予想範囲内の内容で、「意外感はないものの、日本のインフレもしっかりしている印象があり、円が買われた」と言う。ただ、基本的にはパウエル議長の講演待ちと指摘した。
森本氏は、米国で新規失業保険申請件数など弱い経済指標が一部出ており、「全く利下げの示唆がないとは思っていない。9月利下げの織り込みが下がった2ー3割の部分の修正でドルが売られる可能性がある」とみている。
米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウムであるジャクソンホール会合が21日から始まり、22日にパウエルFRB議長が基調講演を行う。金利スワップ市場の9月の米利下げ織り込みは現時点で70%強に低下した。
三菱UFJ信託銀行ニューヨーク支店資金証券室の小野寺孝文ファーストバイスプレジデントは21日の海外市場で12日以来の円安・ドル高水準を付けたことについて、パウエル議長の講演が「様子見のトーンになるとの警戒感も出て、短期金利が上昇してドルが買われた」と話していた。21日の米10年国債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い4.33%程度だった。

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