ニューヨーク州最高裁は21日、トランプ大統領とその会社に科された詐欺罪の罰金4億6400万ドル(約690億円)を取り消した。

トランプ氏がフロリダ州の私邸「マールアラーゴ」やトランプタワーのペントハウスなど保有資産の価値を水増ししたのは事実で、違法行為に変わりはないが、巨額の罰金は違憲なまでに「過剰」だと判断した。

トランプ氏が抱える金銭的責務のうち、最大級のものが取り除かれた格好。同時にニューヨーク州のジェームズ司法長官には新たなプレッシャーがかかる。同長官が提起した訴訟がトランプ氏の法的権利を侵害したかどうかを、米司法省は調査している。

トランプ氏はジェームズ司法長官に対し、大勝利を収めたことになる。ただ2024年4月に下された判決について、罰金以外の判断は変わらない。

トランプ氏が抱える法的問題の大半は、再選後に消え去った。米司法省は現職大統領を訴追しないという慣例に従うとして、トランプ氏に対する刑事訴訟2件を取り下げた。トランプ氏はマンハッタンで起訴された「口止め料事件」で有罪判決を受けたが、大統領就任式を10日後に控えて開かれた公判では、実刑を科されなかった。

ジェームズ長官とニューヨーク司法省は声明で、21日の州最高裁判断を不服とし、控訴する方針を明らかにした。長官はまた「大統領が法を犯したとの司法判断がまた下された」と強調した。

一方のトランプ氏は自身のソーシャルメディア、トゥルース・ソーシャルへの投稿で「米国にとって偉大な勝利だ!」と宣言した。

原題:Trump’s $464 Million NY Civil Fraud Penalty Tossed on Appeal (2)(抜粋)

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