(ブルームバーグ):英国では牛肉やチョコレート、コーヒーが2桁のペースで値上がりし、悪天候と生産コスト上昇に伴う生活費の高騰で国民生活がさらに苦しくなる恐れがある。
英政府統計局(ONS)が20日発表した消費者物価統計によれば、7月の牛肉・子牛肉の価格は、前年同月比で約25%急騰した。比較可能な過去10年のデータを見る限り最大の値上がりだ。コーヒーやバター、チョコレートといった生活必需品の価格上昇率も20%近い。
英食品・飲料連盟(FDF)の渉外・広報担当ディレクター、ジム・ブライ氏は「食品・飲料メーカーは四方八方から苦しい圧力を受けている。エネルギー価格は高止まりし、一部の主要原材料コストも最近数年で急上昇した」と指摘する。
イングランド銀行(英中央銀行)の政策担当者の関心は、雇用市場の減速からインフレの定着傾向が強まるリスクに移っている。インフレ期待に非常に大きな影響を及ぼす食料品価格の高騰は、重大な懸念材料だ。賃上げ要求を後押しし、他の物価圧力を抑制する努力を無にしかねない。
前年同月比の上昇率が10%を超えた食料品・清涼飲料のバスケット価格は、消費者物価指数(CPI)全体に占めるウエートが10%を上回る。
ONSが20日発表した7月のCPI上昇率は前年同月比3.8%と、約1年半ぶりのペースに加速した。


原題:Surging Beef Prices Are UK’s Latest Inflation Headache(抜粋)
--取材協力:Mumbi Gitau.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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