(ブルームバーグ):第一三共株の超大口ブロック取引について、持ち合い解消との見方が広がっている。同社株は取引開始前に単一銘柄取引(ToSTNeT-1)での下限である前日終値比7%安の3718円で複数のブロック取引が成立、7.2%安の3710円で21日の取引を終了した。
ブルームバーグが確認したタームシートによると、同社の株主は総額で最大1880億円相当の株式をブロック取引で売却した。日本カストディ銀行が約850万株と2500万株を、SMBC信託銀行は1390万株、三井住友海上火災保険は210万株をそれぞれ売却した。共同ブックランナーはSMBC日興証券とみずほ証券が務めた。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは「ブロックでまとまったものを一気に売るため、政策保有株の売却という印象」と述べた。「政策保有株の売却はプレッシャーがかかっており、持ち合い株式を整理する手法の一つとして、こうした売却が増えるのではないか」とみる。
東京証券取引所による資産効率改善への要請や、金融庁による要請で政策保有株の売却が進んでいる。国内損害保険会社3社は4-6月期に時価ベースで合計5958億円を売却した。
フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッドは、同日の株価の動きについて、ディスカウントのブロック取引で買った投資家の一部が利益確定の売りをしたと考えられると述べた。
第一三共の投資家向け広報(IR)担当者はブルームバーグの取材に対し、ブロック取引には直接関与しておらず、規模や主体など具体的な中身についてはコメントできないとした。日本カストディ銀行と三井住友海上の広報担当者はコメントを控えた。SMBC信託銀行の親会社の三井住友フィナンシャルグループは業務時間外のため連絡が取れていない。
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