ゴールドマン・サックス・グループのグローバル商品トレーディング共同責任者だった秦暁(Qin Xiao)氏は自身のヘッジファンドに、マルチ戦略大手のミレニアム・マネジメントから10億ドル(約1500億円)の資金を獲得した。

事情に詳しい関係者が匿名を条件に述べたところによると、シンガポールに拠点を置くネクサス・コモディティーズ・キャピタル・マネジメントは年内に運用を開始する見通しで、ミレニアムからの資金に加え、他の投資家からの資金も受け入れる予定。秦氏はミレニアムのために、排他的ではない形で別勘定口座(セパレート・マネージド・アカウント、SMA)を運用する予定だという。

マルチ戦略ヘッジファンド会社は膨らむ運用資産の活用先を求め、著名トレーダーに資金を配分している。ミレニアムは特に積極的で、マーシャル・ウェイス出身のラビ・ナレシュ氏や、トーマス・ウォン氏が率いるオプティマス・キャピタル・マネジメントに資金を割り当てている。

ネクサス・コモディティーズの始動は、今年のアジアのヘッジファンド新規参入市場で数少ない成功例の一つだ。地政学的な緊張の高まりを背景に、北米の機関投資家の資金を引きつけるのに苦戦する新興ファンドが多い。

中国の清華大学とシンガポール国立大学で学んだ秦氏は20年以上にわたりゴールドマンに在籍した。2023年に商品トレーディング部門の共同責任者に就任。それ以前はアジアや欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域の商品トレーディング部門を率いていた。

原題:Ex-Goldman Trader Qin Gets $1 Billion Allocation From Millennium(抜粋)

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