(ブルームバーグ):米スターバックスは今年、北米の全ての給与制従業員に対し一律2%の昇給を行う。従来は管理職の裁量で昇給額が決まっていたが、方針を転換する。
今回の引き上げは、サービス向上と待ち時間の短縮、より居心地の良い店舗作りといった再建策の一環として実施される。同時に、こうした改善策の原資を捻出するため、経営幹部にはコスト管理の徹底が求められる。
スターバックスの広報担当は、一連の投資が生み出している変化を実感しているとの評価を顧客や従業員から得ていると指摘。「こうした大規模な投資に当たり、他のあらゆるコストを慎重に管理する必要がある」と述べた。
同社は9月末に終了する今期に「全てのチームにおいて一貫したアプローチで昇給を実施する」と説明。2%の昇給は、コーポレート部門の全従業員のほか、製造・物流の作業員にも適用される。また、給与制の店舗責任者など小売り部門の幹部も対象となるという。
スターバックスは、既存店売上高が6四半期にわたり低迷する中で、業績の立て直しに取り組んでいる。ブライアン・ニコル最高経営責任者(CEO)は店舗をより魅力的な空間にするほか、メニューの刷新、店舗の人員増強、注文の効率化を図る技術導入にも着手している。
前期は業績不振のため、コーポレート部門の従業員が受け取ったボーナスは目標の60%にとどまっていた。
18日の米株式市場で、スターバックス株は前週末比2.1%高の92.54ドルで終了。年初来上昇率は1.4%と、10%近く上昇しているS&P500種株価指数を大きく下回っている。
原題:Starbucks to Offer Uniform 2% Raise to Salaried Workers (1)(抜粋)
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