(ブルームバーグ):米ゴールドマン・サックス・グループは、オーストラリアで急増する自力で財を成した富裕層や家族資産を取り込むため、同国でプライベートウェルスマネジメントのチームを拡充する計画だ。
東南アジア・オーストラリア地域のプライベートウェルスマネジメント責任者ジャンポール・チャーチハウス氏はインタビューで「間違いなく拡大を目指している」と述べ、「採用は進めているが、目標達成よりも適切な人材を見つけることが重要だ」と付け加えた。
ゴールドマンは現在、シドニーとメルボルンにアドバイザー8人を含む計約13人を配置しており、1億豪ドル(約95億円)以上の投資可能資産を持つ超富裕層の顧客を対象としている。
同社は世界各地に展開する投資銀行部門とのネットワークや、通常ではアクセスしにくい未公開案件に関与する人材への接点などを豪州の投資家に提供している。こうした動きは、UBSグループなどの外資系金融機関やLGT・クレストーンなどの国内資産運用会社と並び、豪州の富裕層市場に食い込む戦略の一環だ。
ゴールドマンのこうした取り組みの背景には、テクノロジーなどの分野で膨らむ家族資産による長年の富の創出がある。デロイトが昨年発表した調査によれば、アジア太平洋地域におけるファミリーオフィスの数は欧州を上回っており、今後の成長ペースは北米をもしのぐ見通し。
豪州では近年、キャンバやアトラシアンといったソフトウエア企業の台頭で、マイク・キャノンブルックス氏ら若手起業家が富裕層に仲間入りした。ジーナ・ラインハート氏やアンドルー・フォレスト氏など鉱業を中心とした従来の超富裕層も健在だ。
チャーチハウス氏は「豪州でファミリーオフィスの急増が見られる」と述べ、「かなりの富を築いた家族は、それを管理する専門家を探すようになる」と語った。
ゴールドマンの手厚いサービスには、ファミリーオフィスの資産運用、プライベートエクイティー(未公開株)など特殊な資産クラスへのアクセス提供、専門家との連携支援などが含まれる。同社はまた、顧客向けに会議を企画し、慈善活動や気候変動といったテーマのセミナーにも招待している。
原題:Goldman Sachs Targets Richest Families in Australia Expansion(抜粋)
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