(ブルームバーグ):来週の円相場は上昇基調が見込まれる。日本銀行による追加利上げ期待の高まりのほか、ジャクソンホール会合でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の利下げに関する発言次第で、日米金利差縮小を意識した円買い・ドル売り圧力がかかりやすい。
◎あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- ベッセント米財務長官の発言や日本の国内総生産(GDP)統計を受けて日銀利上げ織り込みが進み、ドル・円は上値が重くなりそうだ
- 雇用統計が悪かったのでパウエル議長は利下げ方向の話をするだろう。ただ、現時点では50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げという感じではない
- 米ロ首脳会談でウクライナと停戦となり原油安となれば円高方向、リスクオンが進むと円安方向。他の市場の動向を踏まえてドル・円の水準を探ることになる
- 予想レンジは1ドル=145-150円
◎みなと銀行の苅谷将吾ストラテジスト
- ドル・円はやや上値の重い展開
- パウエル議長の発言が注目。50bp利下げの見方も出ている中で、25bp利下げにとどまることを確認するとドルは戻しそうだ
- 全国消費者物価指数(CPI)は伸び鈍化の予想だが、上振れると日銀利上げ期待から円が買われることに
- 石破茂首相の支持率がやや改善しており、早期退陣で円売りを見込んでいる向きは売りにくい状況になっている
- 予想レンジは1ドル=146-149円
来週の主な予定
- 20日:7月の貿易統計
- 20日:米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月29、30日開催分)
- 21日:米ジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム、23日まで)
- 22日:7月の全国CPI
- 22日:パウエルFRB議長がジャクソンホール会合で講演
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