(ブルームバーグ):8月第3週(18-22日)の債券市場は長期金利が上昇基調を維持すると見込まれる。日本銀行の早期利上げ期待がくすぶるほか、財政拡張への警戒感から投資家にとって買いにくい地合いが続く。ただ、米国の利下げ観測が強まれば国内金利に低下圧力が加わる可能性もある。
市場参加者の見方
◎オリックス生命保険の嶋村哲マネジング・ディレクター
- 債券相場は日銀の国債買い入れ減額がボディーブローのように効いており、値幅が大きくなっている
- 来週も軟調な地合いが継続し、金利は上昇方向を予想する
- 5年債利回りは9月以降に1.2%に寄せていくとみている。超長期債も再度売り込まれるだろう
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.5-1.6%
◎三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジスト
- 財政を巡る不確実性が強く、20年債入札は非常に強い結果にはならないだろう
- 7月の消費者物価指数(CPI)が予想を上回れば日銀の利上げが意識され、中期債の金利が上がる可能性がある。ただ、日銀は基調的インフレ率が重要だと説明しており、ムードが一気に変わることはない
- 米国では連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨とジャクソンホール会合を経て利下げ観測が強まり、金利の低下要因になるとみており、日本の金利にも低下圧力が及びそうだ
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.5-1.59%
国債入札
日銀買い入れ
主な材料
- 20日:FOMC議事要旨(7月29、30日開催分)
- 21日:ジャクソンホール会合(米カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム、23日まで)
- 22日:7月の全国CPI
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