(ブルームバーグ):トランプ米大統領は今週、エヌビディアが中国で販売した一部半導体について、売上高の15%を米政府が徴収すると明らかにした。市場で注目を集めたが、結果的に同社株への投資意欲が衰えることはなかった。
理由は、財務諸表を見れば明らかだ。同社によれば、2-4月期(第1四半期)の中国での売り上げは55億ドル(約8100億円)と、全体の約13%だった。このうち約8割がトランプ氏が言及した米国への支払い対象となっており、50億ドル弱の計算となる。
同社は、四半期当たり7億ドル程度を米財務省に支払う可能性がある。とはいえ四半期で200億ドルの利益を出し、人工知能(AI)ブームを受け売上高も伸ばしている同社にとって、この負担はほとんど問題にならない。

ブルー・チップ・デーリーの創業者、ラリー・テンタレリ氏は支払いについて、「全体の売上高ベースならば大きな問題だが、売上高に占める中国の割合は最大ではなく、一時的な障害に過ぎない」と分析している。
この支払いの話が明らかとなり、エヌビディア株は11日に下落したが、12日には幅広い市場が上昇する中で最高値を更新した。同社の株価は4月初め以降ほぼ2倍となっており、時価総額は4兆4000億ドルを超えた。
米政府に対する同様の支払いで合意したアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価は13日、1年余りぶりの高値で取引を終えた。
エヌビディアは27日、5-7月期(第2四半期)決算を発表する予定。アナリストは利益が44%増加し、売上高は53%増え459億ドルに達すると予想している。
原題:Nvidia’s Trump Tax of Little Worry to Investors Eyeing AI Riches(抜粋)
(アドバンスト・マイクロ・デバイセズの株価の動きを加え更新します)
--取材協力:Subrat Patnaik、David Watkins、Brandon Harden.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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