米政府の対外援助縮小の影響で、南アフリカの社会福祉・コミュニティー(地域)サービスで大量の職が奪われ、雇用情勢が悪化した。トランプ米政権は、援助プログラムを担う米国際開発局(USAID)の人員削減を進め、事実上の解体に追い込んだ。

南アの4-6月期の失業率は33.2%と前期の32.9%から上昇し、1年ぶりの高水準に達した。コミュニティーサービスで4万2000人と最も多くの職が失われた。

南ア統計局のソリー・モライ氏は12日、行政首都プレトリアで記者団に対し、「行政部門に加え、保健・ソーシャルワーカーの雇用が減少している」と説明。NPOが多く活動する分野であり、資金削減の影響が顕著に表れているとの認識を示した。

USAIDがこれまで担ってきた「米大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)」は、今年1月から資金提供を縮小し始めた。NPOが活動停止の危険にさらされ、重要な保健プログラムの継続が危ぶまれる状況だ。

南アはエイズウイルス(HIV)感染者が世界で最も多く、約800万人と全人口の13%を占める。同国のHIV対策予算の約17%(年間4億4000万ドル=約650億円)をPEPFARが拠出してきた。

原題:Trump Aid Cuts Push South Africa’s Jobless Rate to Year High(抜粋)

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