(ブルームバーグ):液化天然ガス(LNG)輸出業者の米ベンチャー・グローバルは、今年最悪の米新規株式公開(IPO)銘柄という不名誉な称号を与えられているが、12日の4-6月(第2四半期)決算発表後も状況は変わらなかった。
4-6月期売上高が市場予想を上回ったほか、顧客企業が申し立てている仲裁請求のうちの1件で「間もなく」判断が出ると明らかにしたことで、同社の株価は0.9%高で終了した。それでも、最近の下落分をほとんど埋められなかった。現在の株価は、1月のIPO価格である25ドルの半分にも満たない。
モーニングスター・インベストメント・サービスのアナリスト、アダム・ベイカー氏は「IPO価格は完璧な執行を前提に設定されていた」とし、「同社は壮大な構想を持つが、その一部は2030年代まで実現しないだろう」と指摘する。
同社は変動の激しいLNG価格、継続中の仲裁手続き、多額の負債という三重苦に見舞われている。ブルームバーグがまとめたデータによると、調達額5000万ドル(約74億円)超の今年のIPO案件の中で、同社の株価パフォーマンスは最悪だ。

4-6月期売上高は31億ドルと、アナリスト予想平均の29億ドルを上回ったが、純利益は3億6800万ドルと、予想を39%下回った。
ルイジアナ州の「カルカシュー・パス」LNGプロジェクトに関連し、同社の複数の顧客企業が仲裁請求を申し立てている。4-6月期は、同プロジェクトの低いLNG価格が、別のプロジェクトでの販売量増加を相殺した。
一方、ヘッジアイ・リスク・マネジメントのアナリスト、フェルナンド・バレ氏は投資判断を「買い」とし、株価の妥当水準を18-20ドルとみている。天然ガス分野における米国のコスト優位性が今後5-15年にわたって同社の追い風になるという。
原題:Year’s Biggest US IPO Is Also Biggest Flop as Earnings Fizzle(抜粋)
--取材協力:Jaren Kerr.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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