次のパンデミック(世界的大流行)に備え、少なくとも12カ国が自国でのワクチン開発に関心を示していると、バイオテクノロジー業界の著名投資家が指摘した。米政府がこうしたワクチンを準備できるかに疑念を抱いているためだという。

これまで多くの国は、米国が製造し世界中に供給するワクチンにほぼ依存してきた。ファイザーやモデルナが開発し、米政府が採用した新型コロナウイルスワクチンは世界中で数多くの人々が接種した。

だが、ケネディ米厚生長官の下で米政府は新技術を活用したワクチン製造契約を終了した。このため、次のパンデミックで米国を頼れるかどうかに各国が不安を抱いていると、フラッグシップ・パイオニアリング創業者のヌーバー・アフェヤン氏は述べた。

新しいバイオ企業への投資や創業を手掛けるフラッグシップの投資先企業には、自国でワクチンを設計・製造する方法を学びたいと考える国から「強い関心」が寄せられているという。「これらの国は、次のパンデミックで全てうまくいくと言って何もせずにいるわけではないだろう」と同氏は語った。

各国が自国でのワクチン開発を考え始めたのは直近のパンデミック後だが、「ワクチン研究向けの資金が減少または停止するとの懸念から、その動きが一層強まっている」としている。

最新の事例を挙げると、米厚生省は先週、メッセンジャーRNA(mRNA)技術を使った22件のワクチン開発契約、約5億ドル(約740億円)相当を打ち切ると発表した。ワクチン批判派として知られるケネディ長官は、同省として資金を他の予防接種プログラムに振り向ける方針だと述べた。

原題:Other Nations Want to Make Their Own Vaccines as US Pulls Back(抜粋)

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