(ブルームバーグ):米シカゴ市場のトウモロコシ先物価格が12日、ほぼ1年ぶりの安値に下落した。米農務省(USDA)が米国の記録的なトウモロコシ収穫見通しをさらに上方修正したことで売りが膨らんだ。
USDAが同日公表した月次報告書によると、2025/26年度の米国のトウモロコシ生産量は167億4200万ブッシェル、1エーカー当たりの収穫高は188.8ブッシェルと予測。いずれもブルームバーグ調査の市場予想を上回った。前年より作付面積が増加し、豊富な降雨と高温被害の少なさに恵まれた。
同報告は「予測通りとなれば、米国の穀物生産として過去最大になる」と指摘した。
シカゴ市場のトウモロコシ先物12月限は一時3.9%安の1ブッシェル=3.92ドルと、昨年8月29日以来の安値を付けた。
安値は畜産業者や食料品メーカーに歓迎される一方、農家の購買力をそぎ、肥料や農業機械の需要を圧迫している。USDAの発表後、農業資材メーカーのAGCOやニュートリエンなどの株価も軟化した。

再生可能燃料協会のジェフ・クーパー会長は「今回のUSDA報告を受け、米国の農村部で警鐘が鳴っている。連邦議会でも鳴り渡るべきだ」と述べ、トウモロコシ在庫削減のためエタノール需要の拡大が必要だと指摘した。
原題:Corn Drops With Record US Harvest Seen Bigger Than Expected(抜粋)
--取材協力:Ilena Peng、Clarice Couto、Gerson Freitas Jr.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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