人工知能(AI)ツールがソフトウエア業界に激震をもたらすとの懸念から、関連銘柄への売りが膨らんでいる。

12日の欧州株式市場では、独ソフトウエア大手SAPが大きく売り込まれたほか、英セイジ・グループ、仏ダッソー・システムズなども下げた。

背景には、生成AIの進化で、迅速かつ低コストでのアプリ開発が可能になり、ソフトウエア企業が競争激化にさらされるとの懸念が強まっていることがある。オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は今月、ソフトウエア業界は近く「ファストファッション時代」に突入する可能性があるとの見方を示した。

マシュー・ヘッドバーグ氏らRBCキャピタル・マーケッツのアナリストは12日付けのリポートで「『AIがもたらすソフトウエアの死』との見方が、引き続きソフトウエア株のバリュエーションの重しとなっており、短期的にはボラティリティーの高い状況が続くだろう」と指摘した。

ソフトウエア銘柄は今年、ハイテク業界の中で出遅れが鮮明だ。セールスフォース株は年初来で30%余り下落。アドビも約25%下げている。

影響はガートナーのような調査・ITコンサルティングサービスを手がける企業にも広がる。AIの分析ツールとの競争が激化するとの懸念が逆風となっている。

原題:Billions Wiped Out as Software Stocks Sink on AI Disruption Fear(抜粋)

--取材協力:Gary Parkinson、Ryan Vlastelica.

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