ホワイトハウスは新たな国家安全保障戦略(NSS)文書を発表した。毎年発表される同文書に法的拘束力はないが、米政権の優先事項が明記されている。

台湾を巡る高市早苗首相の発言をきっかけに、日中間の摩擦がくすぶっている。トランプ政権はアジアにおける安保戦略として、圧倒的な軍事力によって台湾を巡る紛争を抑止することを優先すると宣言。日本などに防衛費増額と負担拡大を求めるとともに、中国経済のバランス修正に寄与する通商政策を促した。

トランプ米大統領が署名した29ページの同文書において、日本への言及があった箇所は以下の通り。

  • トランプ大統領が日本と韓国に負担拡大を強く求めていることを踏まえ、両国には防衛費を増額し、敵対勢力を抑止し第1列島線を防衛するために必要な能力(新たな能力を含む)に重点を置くよう促さなければならない
  • 中国経済を家計消費型にバランス修正すべく、欧州と日本、韓国、オーストラリア、カナダ、メキシコなどには、その目的に寄与するような通商政策の導入を促す必要がある
  • (南シナ海の航行の自由確保について)米軍、特に海軍の能力に対する一段の投資だけでなく、この問題が放置されれば被害を受けるインドや日本などの国々との強力な協力も不可欠だ
  • 欧州と日本、韓国などは7兆ドル(約1100兆円)の対外純資産を持ち、多国間開発銀行を含めた国際的な金融機関には総額1兆5000億ドルの資産がある。米政権はその指導的立場を活用し、これらの機関が米国の利益に資するよう改革を実施することに注力
  • 日米豪印の枠組み「クアッド」による協力継続などを通じて、インドと米国の商業関係などを改善し、インド太平洋地域の安全保障に対するインドの貢献を促す

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