米鉄鋼USスチールのペンシルベニア州の工場で11日に爆発が発生し、1人が死亡、複数の負傷者が出た。

爆発は、同州クレアトン市にあるクレアトン・コークス工場で現地時間午前11時(日本時間12日午前0時)直前に発生。施設からは濃い煙が立ち上り、緊急対応部隊が現場に出動した。地元テレビ局の映像では、消防隊が火災に対応する様子や、損壊した建物が確認できた。

アレゲニー郡緊急対応当局の電子メールでの発表によると、死者1人のほか、2人が行方不明となっており、複数の人が負傷して治療を受けている。

ペンシルベニア州のシャピロ知事はSNSへの投稿で、施設で複数の爆発が発生し、州知事室が労働組合幹部や地元当局と連携して対応していると説明した。

今回の事故は、日本製鉄が141億ドル(現在のレートで約2兆900億円)でのUSスチール買収手続きを完了してから2カ月足らずのうちに起きた。買収完了後、日鉄はUSスチールのモンバレー施設での生産拡大や製鉄所の近代化、鉱山開発の拡大、全米各地での新施設建設に多額の資金を投じる計画を表明していた。クレアトン工場はモンバレー複合施設の一部に当たる。

USスチールに電話と電子メールでコメントを求めたが、すぐに返答はなかった。

クレアトン工場では、過去にも事故や法令違反があった。USスチールは昨年、2018年の火災や2件の停電を巡り連邦政府との和解で決着。また同工場は昨年、排出ガス捕捉に不備があったとして、190万ドルのペナルティーを科された。さらに10年には、コークス炉の爆発や火災が発生し、従業員15人が負傷する事故も起きていた。

クレアトン工場は鉄鋼の製造に不可欠なコークスの生産施設としては米国最大規模を誇る。アレゲニー郡の保健当局は、工場周辺の住民に対し屋内にとどまるよう呼びかけている。

ペンシルベニア州クレアトンにあるUSスチールのクレアトン・コークス工場で爆発が発生

原題:US Steel Plant Explosion in Pennsylvania Kills One; Dozens Hurt、Several Injured in Explosion at US Steel Plant, TV Reports Say(抜粋)

(最新の被害状況などを追加して更新します)

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