欧州議会の通商担当トップであるランゲ国際貿易委員会委員長は、トランプ米政権から通商政策の詳細について説明を受けるまで、欧州連合(EU)と米国の通商協定の批准手続きを凍結するよう提案する方針だ。

ランゲ氏は、英スコットランド西部にあるトランプ氏所有のゴルフリゾートにちなんでターンベリー合意と呼ばれる米・EUの貿易協定について、「包括的な法的評価および米国から明確な確約が得られるまで」承認に向けた立法作業を停止するよう、23日の緊急会合で提案する考えを示した。

「米政府の通関行政は混乱を極めている」とランゲ氏は22日にSNSに投稿。「もはや誰も状況を理解できない。未解決の疑問ばかりが残り、EUや他の米国の貿易相手国にとって不確実性が増しているだけだ」と述べた。

米連邦最高裁は20日、トランプ大統領が打ち出した大規模な関税措置について効力を認めないとの判断を下した。欧州議会国際貿易委員会は、トランプ氏がグリーンランドの併合に言及した際にも承認手続きを凍結した。

トランプ氏と欧州委員会のフォンデアライエン委員長が昨年夏に合意した協定では、EUから米国への輸出の大半に15%の関税を課す一方、米国からEUへの輸出品に対する関税は撤廃する内容となっている。米国はまた、欧州からの鉄鋼・アルミニウム輸入に引き続き50%の関税を課す方針だ。

トランプ氏は20日、最高裁の判断を受けて、世界的に10%の関税を課す大統領令に署名。21日には世界一律10%の関税を15%に引き上げると表明した。新たな一律関税は1974年の通商法122条に基づき適用される。

フランスのバロ外相は、EUと米国の通商合意が「依然として有効かどうか」分析していると明らかにした。

「その点については疑問を抱く余地がある」とバロ氏は仏ラジオ局フランス・インターとのインタビューで発言。「必要な対応措置を講じる」と強調した。

ランゲ氏はこれらの関税を導入すればターンベリー合意に反するのではないかと疑問を呈し、「さらなる措置を講じる前に、明確性と法的確実性が必要だ」と続けた。

原題:EU May Freeze US Trade Deal Approval on Trump Tariff ‘Chaos’ (1)(抜粋)

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