米通商代表部(USTR)のグリア代表は、トランプ大統領の関税措置が連邦最高裁で退けられたものの、政権が通商相手国・地域と交渉してまとめた個別の合意が覆されることはないとの見方を示した。強硬な米通商政策を擁護する姿勢を打ち出した。

グリア代表は22日、CBSの番組で、中国や欧州連合(EU)、日本、韓国などと政権がまとめたこれらの合意は引き続き有効だと発言。トランプ氏が前日に発表した15%の世界一律関税とは切り離して考えるべきだとの認識を示した。

「これらの合意は良い内容になると各国・地域に理解してもらいたい」とグリア氏は述べ、「われわれは合意を順守する。相手側にも順守を期待する」と強調した。

欧州議会の通商担当トップであるランゲ国際貿易委員会委員長は22日、トランプ政権から通商政策の詳細について説明を受けるまで、欧州連合(EU)と米国の通商協定の批准手続きを凍結するよう提案すると明らかにした。インドの当局者は同様の理由を挙げ、23日の週に米国で予定されていた暫定通商合意の最終化に向けた協議を延期すると説明した。

最高裁は、トランプ氏が1977年の国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて発動した措置を退けた。グリア氏は、他国の通商慣行に関する調査を含む代替的な米通商手段が、米国に交渉上の優位性をもたらすとの考えを示した。

「中国に対しては既にこの種の関税を課しているほか、進行中の調査もある」と同氏は述べた。

トランプ氏は3月31日から4月2日までの日程で中国を訪問し、習近平国家主席と会談する計画だ。

グリア氏はこの日、FOXニュースの番組にも出演し、「大統領と習氏は強固な関係にある」と発言。米国は最高裁が退けた緊急権限法を用いなくても、中国に対し平均40%の関税を維持していると指摘した。

グリア氏は、「この週末にEUのカウンターパートと話をした」とし、米国の他の主要な貿易相手の当局者とも協議し、不安払拭に努める考えを示した。

同氏はCBSに対し、「安心してほしい。私はこうした関係者とも話をしてきた」と述べ、「勝訴しても敗訴しても関税は維持され、大統領の政策は継続すると1年前から伝えてきた」と語った。

「だからこそ、訴訟が係争中であっても各国・地域はこれらの合意に署名したのだ」と続けた。

EUの行政執行機関である欧州委員会は22日、トランプ政権の次のステップに関して「完全な明確性」を求めると表明した。「合意は合意だ」と同委員会は声明で述べ、昨年8月に署名した通商合意に基づく米国の約束が順守されることを期待していると付け加えた。

ベッセント米財務長官は、米国は通商相手と連絡を取り合っており、「各国・地域は関税合意を評価している」と述べた。「従って、変更されることはない」とFoxニュースの番組で語った。

グリア氏はさらに、最高裁の判断を受けて各国・地域が関税の軽減を期待すべきではないと指摘。トランプ氏が前日に発表した15%の世界一律関税について、IEEPAに基づきこれまで課してきた関税水準と「おおむね同程度だ」と述べた。最高裁は同法について、関税発動の根拠として使用できないとの判断を示した。

「現実問題として、われわれは現在の政策を維持し、可能な限り継続性を確保したい」とグリア氏はABCの番組で話した。

原題:US Tells Partners to Honor Tariff Deals as Trump Recalibrates(抜粋)

(インドの対応、グリア氏とベッセント氏の発言などを追加します)

--取材協力:Isabelle Lee.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.